prevent 予防歯科

予防歯科

予防歯科は、虫歯・歯周病をはじめとした口腔内のトラブルを予防するための処置、治療のことです。フッ素塗布や歯のクリーニングなどが該当します。

これまでの歯科医院は、「むし歯や歯周病になってから、痛い思いをして削ったり抜いたりする場所」というイメージが強かったかもしれません。しかし、一度削ってしまった歯や、失ってしまった天然の歯は、二度と元の健康な状態には戻りません。
当院では、歯の病気を未然に防ぎ、お口の健康を生涯にわたって守り続ける「予防歯科」に力を入れています。定期的なメインテナンスでお口を健やかに保つことは、しっかりと食事や会話を楽しめるだけでなく、全身の健康にも深くつながっています。

3つのメリット

細かいことを言い出すとキリがないほどに多くのメリットがありますが、予防治療には大きく3つのメリットがあります。

1.むし歯や歯周病を未然に防ぎ、歯を長く残せる

定期的に検診を受けていただくことで、むし歯や歯周病の原因となる「バイオフィルム(細菌の膜)」や歯石を徹底的に除去できます。万が一、小さなお悩みが見つかっても、初期段階であれば削らずに済むことも多く、大切な天然歯を守ることができます。

2.治療にかかる期間や費用を抑えられる

お口のトラブルが重症化してから治療を始めると、神経の処置や被せ物、さらにはインプラントなど、大掛かりな治療が必要になり、期間も費用もかさんでしまいます。数ヶ月に1回の定期検診に通う方が、結果的に将来の医療費や歯科治療費を大きく節約することにつながります。

3.お口から「全身の健康」を守る

近年の研究では、歯周病が糖尿病や心疾患、脳梗塞、認知症など、さまざまな全身疾患の悪化を招くリスクとなることが分かっています。お口の中を清潔にコントロールすることは、身体全体の健康維持において非常に重要な役割を果たしています。

当院の予防歯科に対する考え

本当に大事なのは歯石の除去と食習慣

予防歯科といえば、最近では歯科衛生士の独占業務であるPMTCが有名ですね。これはプロによる特別な歯のお掃除のことです。通常の歯のクリーニングとの違いは、歯のクリーニングはステイン除去がメインなのに対し、PMTCは歯と歯、歯と歯茎の隙間にあるプラークを徹底的に除去することが目的です。仕上げとして歯の表面をペーストで磨くのでツルツルになります。
予防治療としては素晴らしい施術である一方で、当院としては通常の歯のクリーニングの際に歯石をしっかり除去させていただいていますので、必ずしも受けなければいけないかというと、そうでもないのかなと考えています。歯石、歯垢はクリーニングで除去できますので、当院としては患者さんの生活習慣とブラッシング指導に重きを置いています。

自費でPMTCをご希望される方は普段からご自身の歯を気にかけていらっしゃると思いますが、ご多忙でどうしてもメインテナンスまで手が回らない方は、そもそも歯科医院でPMTCを受けようと思い至っていないのではないかと経験上考えています。
そういう患者さんたちは、大抵は「歯が痛くなった」「詰め物が取れた」「歯茎からまた血が出るようになった」と訴えて来院されます。その時に歯のお掃除をさせていただき、ブラッシング指導と食習慣のヒアリングをさせていただいています。歯の表面がツルツルにならなくても、まずはしっかり歯の汚れを取り除いてあげることが大事で、メインテナンスが上手くできていない方々が少しでも日常生活で意識できるよう、根気強く伝え続けたいです。

また、意外と食習慣が肝心です。極端な話、ほとんど歯を磨かない人でも食事をとらなければ虫歯になりにくいです。多少の汚れがついても、唾液による自浄作用で歯が洗浄されるからです。一方で、1日3回しっかり歯を磨いている方でも、料理人や食品開発の担当者、リモートワークで間食が多い方などで、飲食が多い方は常にお口の中が汚れてしまい、唾液の自浄を待たずにまた次の飲食、となってしまうとご自身のブラッシングでは汚れを取り切るのは難しいです。
食べる回数だけではなく、お食事中にしっかり咀嚼できているかどうか、も大事です。よく噛んで食べることで唾液が分泌されますので、自浄効果が高まります。消化を助けたり、顎が発達することで歯並びのトラブルが生じにくいという効果もあります。
当院としては、歯科医院で歯の汚れを除去したら、どんなメインテナンスの技術(歯の磨き方、フロスの使い方)があるか、合っているか助言してもらい、患者さんご自身の日常生活での意識が掛け合わさってようやく予防歯科として機能しているのだと考えています。

ブラッシングは2~3分でOK

1日3回、食事の度に歯を磨けることが理想的ですが、難しければせめて夜はしっかり磨けるように工夫してみてください。と言っても、1回あたり2~3分ほどでOKです。TV観ながらゴシゴシ、シャカシャカと強く磨くのはやめましょう。磨けている気はするのですが、実際はあまり汚れが取れておらず、しかも歯がすり減ってしまいますのでお勧めできません。汚れを落とす目的の歯磨きでは、ゴシゴシ、シャカシャカといった音はしません。歯ブラシはできれば柔らかい毛がいいかもしれません。歯と歯の隙間に歯ブラシの毛を入れて前後に動かすので、毛は柔らかい方が扱いやすいです。

ちなみに、ゴシゴシ、シャカシャカと音をさせて強く磨いている時、歯ブラシの毛は以下のように歯に当たっています。

歯と歯の隙間に毛が入り込んでいないので、この隙間は全く磨けていないのです。
歯の表面は唾液で汚れが落ちやすいので、表面はそこまで念入りに磨く必要はありません。歯と歯の間、そして歯と歯茎の間(歯周ポケット)に歯ブラシの毛を入れて汚れを取り除きましょう。
1か所につき10回ずつ擦れば十分です。慣れれば全て1分以内にできますので、トータルの歯磨きは2~3分で終えられます。

歯がすり減った状態

上図はブラッシングが強いことで歯がすり減ってしまった状態のイメージ模型です。個人的に、男性はけっこう強く磨いてしまってこのように歯がすり減ってしまっている方が多い印象です。

こちらが理想的な状態の歯です。一度、ご自身の歯を鏡で、歯がすり減ってしまっていないか注意深く確認してみてください。

当院では、患者さんのライフスタイル、性格などから定期検診や歯のクリーニングのタイミング、ブラッシング指導をさせていただきます。
1回や2回では指導された通りにブラッシングできないものですので、何回でも指導をさせていただきます。そして少しずつでも日々のブラッシングが良い方に変わっていければいいなと考えています。必要に応じて歯間ブラシやフロスを使ってもらえば、もっと簡単にメインテナンスができますので、些細なお悩みでもかまいませんので何でもご相談ください。